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自動車保険の見積り比較
■自賠責保険と自動車保険
自動車の保険には、強制保険(自動車損害賠償責任保険)任意保険(自動車保険)があることは、車を運転する人なら知らない人はいないでしょう。 このうちドライバーに関心のあるのは、保険料が強制的に定められている自賠責保険ではなく、加入する保険会社によって保険料が違っている自動車保険のほうです。

しかし、一昔まえまで、自動車保険はどこの保険会社も、似たような商品で保険料も大差ないというのが常識でした。ところが最近では、ほとんど同じ補償内容でも保険会社によって保険料が違っていることや、商品の多様化が、当たりまえのようになってきました。それは、日米保険協議による1996年〜1998年の自動車保険の自由化以降の現象です。自由化まえは、大蔵省(現在の金融庁)のいわゆる護送船団方式の指導方針により、外資の参入が厳しく制限され、また国内的には、自動車保険料率算定会という団体の算出した料率を、すべての保険会社が適用することを義務付けられていたからです。

自動車保険の完全自由化以降、各社の保険料に格差が生じ、また、加入者の走行距離や年齢、免許証の色、車の使用目的、対象車両の安全装備、居住地域等々で商品の多様化が加速されました。さらに、これまでの代理店経由の契約だけでなく、通信販売やインターネットで契約することもできるようになり、加入方法の選択肢も増加しました。

しかし、自動車保険の完全自由化以降、それぞれの保険会社が、独自の商品を開発し積極的に広告を出していますが、情報があまりに多すぎて、いったいどの会社の、どんな商品に加入したらよいのか、迷っている人も多いでしょう。さらに、最近の自動車保険は、相手方への賠償のみならず、自分自身の補償、自分の車に対する補償などが、セットされた状態で販売されていることが多く、非常にわかりにくいものとなっています。

■自賠責保険の概略と自動車保険の発生理由
そこで、ドライバーにとって、新規契約時や継続契約時に、いま自分にベストな保険商品は何かを考えるには、まず基本的なことから押さえていく必要があります。そもそも、加入が義務づけられている自賠責保険のほかに、なぜ任意である自動車保険に加入するのか。むろん、それは、自賠責保険の支払い限度額を超える対人賠償責任を負ったときのほか、自賠責保険の対象にならないさまざまの事故に備えるためにあります。

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、自動車損害賠償保障法により設けられたもので、これは、自動車事故を起こした加害者の支払い能力の有無によって、被害者への補償が左右されないようにするための、「被害者保護」を目的とした「対人」保険です。その賠償金の最高限度は1回の事故で、被害者1名につき、
             死亡3000万円、重度の後遺障害4000万円、傷害120万円まで
と決められています。そして、すべての損害に対して自賠責保険が適用されるわけでありません。クルマやガードレールなどの「モノ」に対する損害、自分の身体、自分のクルマに対する損害には適用されません。つまり、自賠責保険の支払いは「他人」に対する損害だけに限られます。被害者救済を目的とする自賠責保険は、事故を起こしたクルマの保有者自身がケガをした場合は適用されないのです。
                                                             
ここに、ドライバーが自賠責保険だけでなく、任意保険にも加入する理由が発生するわけです。最近の交通事故による判決例をみると、2億円から3億円の高額の賠償額が認定されることも珍しくありません。したがって、自賠責保険の限度額を超えた場合には、任意保険(自動車保険)に加入しておかなければ、被害者側に十分な償いができないことになってしまいます。そのため、いまや任意保険における対人賠償保険は、「無制限」が常識になっています。すなわち、自賠責保険の支払い限度額を超える対人賠償損害や、自賠責保険の対象にならない対物賠償損害、自分自身のケガや自分のクルマの損害などに対処するために、どうしても任意保険(自動車保険)が必要になってくるのです。

■自動車保険の基本的種類
それでは、任意保険(自動車保険)にはどのような種類があるのでしょうか。自動車保険の自由化以降、多様な新しい自動車保険(任意保険)がそれぞれの保険会社から発売されています。それは、従来型の自動車保険をベースにしながらも、人身傷害保険や各種サービスを付加し、契約者であるドライバーのニーズに応えたものが主流になっています。これらの新しい商品の中から、いま自分に最適な保険はどれか、を決めるまえに、自動車保険(任意保険)の7つの基本的な種類について理解しておくことが必要です。

@[対人賠償保険]
これは歩行者、同乗者(被保険者であるドライバー本人とその配偶者・子供は含まれず)、または他のクルマに乗っていた「他人」を死亡、負傷させて法律上の損害賠償責任を負った場合、自賠責保険から支払われる保険金額超える部分について支払われる保険です。自賠責保険の不足分をカバーしてくれるものであり、自動車保険のなかでもっとも重要なものと言ってよく、さきほど述べたように高額の賠償額が認定されることも珍しくなく、いまや対人賠償保険は「無制限」が常識になっています。

A[対物賠償保険]
これは交通事故を起こして、「他人」の車や家、モノなどの財物に、破損、汚損、滅失などの損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合に支払われる保険です。自分の車やモノを壊しても、対象にはなりません。「対人賠償保険」と同じく「対物賠償保険」の「対」というのは、あくまで他人やその物を対象としています。対物賠償の高額判例として、踏切内で電車と衝突事故を起こした例など、1億円を超える損害賠償額が認定されることがあり、万一のため、十分な保険金額で加入することが必要です。

B[人身傷害補償保険]
これは、自動車保険の自由化以降、保険会社各社によって販売されるようになった比較的新しい商品で、自動車事故により、契約の車に乗車中の人が死傷したときに、過失の割合に関係なく、死亡、ケガによる治療費、休業補償、慰謝料など実際の損害を、契約した保険金額を限度に100%補償してくれる保険です。過失の割合に関係なく、実際の損害を100%補償してくれるという意味で「完全補償タイプ」と言われることがあります。

C[搭乗者傷害保険]
これは、自動車事故により、契約の車に乗車中の人が死傷したときに、損害の程度に応じて、あらかじめ定められた一定額が補償される「定額払」の保険です。「搭乗者」ですから「同乗者」だけでなくドライバー本人も含まれ、その車に乗っているすべての人が対象になります。たとえば、ケガの治療のため入院、通院した場合に支払われる医療保険金は、入院1日につき保険金額の0.15%、通院は0.1%支払われます。したがって1名につき500万円で契約している場合、入院1日つき7500円、通院1日につき5000円支払われます。過失の割合に関係なく補償されるのは「人身傷害補償保険」と同じです。
  
D[無保険車傷害保険]
これは、自動車事故により、契約の車に乗車中の人が死亡・後遺障害を被り、相手が無保険車のときに補償される保険です。この保険が対象としている「無保険車」というのは、@任意の対人保険に加入していないクルマ、A加入していても運転者年齢条件などの規定にそっていないために保険がおりない場合、B加入していても、その保険金額が被害者に支払う賠償額に満たない場合、Cひき逃げなどで事故の加害者が特定できない場合です。任意保険への加入はドライバーの常識と思われるかもしれませんが、実は任意の対人賠償保険の加入率は共済を含め85%前後、つまり無保険車と事故をする確率は10回の事故のうち1回〜2回はあるわけです。保険金額は自分の契約している対人保険と同じ金額ですが、無制限で加入している場合は2億円が上限となります。

E[自損事故保険]
これは、電柱・建物など自動車以外のものとの衝突・接触など単独事故や、相手に過失がない事故で、運転者(被保険者)が死亡、傷害または後遺障害を負った場合に補償される保険です。相手のクルマの過失割合がゼロの事故なら、たとえ運転者が死傷しても、相手のクルマの自賠責保険や任意の対人賠償保険からは支払われません。こういうときのために最低限の補償をしてくれるのが、この自損事故保険です。自損事故保険は、対人賠償保険を契約すると自動的にセットされるため、契約時に保険金額などを設定されることがなく、特約保険料を支払う必要もありません。

F[車両保険]
これは、契約しているクルマに、衝突・接触・火災・爆発・盗難・台風・洪水・高潮などによる損害が発生したときに補償する保険です。保険金額は契約するクルマの年式や車種にもとづく「時価」が、保険会社のほうで決められます。たとえば50万円の価値しかないクルマに100万円の保険をかけるようなことはできません。したがって、保険金額を決めるうえで加入者側に選択肢はありませんが、補償範囲については選択することができます。「補償範囲」や「免責金額」の設定によって保険料は大きく変わってきます。この車両保険の加入者は、自動車保険加入者の半数程度と言われています。保険料が高いので車両保険は付けない、という人が多いようですが、ローンで買ったクルマを、すぐに盗まれたり、ガードレールにぶつけて廃車にせざるをえず、借金の返済だけが残った、ということにもなりかねないので、よく検討する必要があります。少なくとも、ローンを利用してクルマを購入するときは、万一を考えて車両保険に加入しておくべきでしょう。

   @とAは相手方への賠償、B〜Eは自分自身の補償、Fは自分のクルマの補償です。

[リスク細分型保険]
 上記の7つの保険の中から希望の保険を選ぶということになりますが、基本的にはある程度、組み合わされてセットで販売されています。自動車保険の自由化まえ、保険料は、車種・運転者の年齢・事故歴などで自動的に算出され、どこの会社でも大差ないという結果になっていましたが、自由化以降、外資保険会社が持ち込んだ「リスク細分型保険」により、自動車保険の商品は多様化し、保険料はさらに細分化されることになりました。上記の7つの保険が、補償対象からの分類名称であるのに対して、リスク細分型保険というのは、保険料の算出根拠からの分類呼称であるということができるでしょう(そうであるなら、従来型の保険を「リスク太分型保険」と呼んでもよさそうなものですが、そういう呼び方はありません)。

 リスク細分型保険は、リスク(事故に遭う確率と予想される損害額)の要因を細分化し、保険料に差を設けるものであり、保険業法施行規則では、年齢性別運転歴(事故歴など)・使用目的(自家用・業務用など)・使用状況(年間走行距離など)・車種安全装備(エアバッグ・ABSーなどの有無)・所有台数地域の、9つのリスク要因で、保険会社が独自に料率を算定して、保険料に差をつけることができるようになっています。そして、どのリスク要因を採用するのか、どの程度の差をつけるのか、一定の範囲内で保険会社の裁量に任されています。リスク細分型保険の導入により、危険度の低いドライバーは、割安な保険料を享受できるようになり、実際に従来型の保険料より30〜40%の節約も可能な場合があります。しかし、事故率の高い区分に属したドライバーは、これまで以上の高い保険料になる可能性があります。したがって、保険料を節約しようと考えるなら、自分の加入条件に最適のリスク要因と保険料率を設定している保険会社の商品を選ぶことが重要になってきます。

[補償拡大型保険]
 自動車保険の自由化以降、全般的には、外資系の保険会社(リスク細分型保険)が、通信販売やインターネットを利用し、リスクを細分化することにより格安の保険料を打ち出す傾向があるのに対して、既存の国内の保険会社(リスク太分型保険)は、補償範囲の拡大と交渉などのアフターサービスで安心感を打ち出す傾向があるのは、理論的には必然と言えるでしょう。したがって、このリスク太分型保険は、「補償拡大型保険」と呼ばれることがあります。

■自動車保険の比較加入
 以上をふまえて自動車保険は、どういう選び方をしたらよいか、ということですが、あまりむつかしく考えないで一番手っ取り早く合理的な方法は、無料の「一括見積もりサービス」を利用して、各保険会社の見積もりを取ってみることではないでしょうか。これは、新規に加入する場合と、すでに加入していて見直す場合があります。

 まず新規に加入する場合は、友人や職場の何人かに、どれくらいの補償内容でどのような保険に加入しているかを訊ねてみることでしょう。そうすれば、だいたいの標準的な加入状況がつかめるからです。もう少し具体的にいうと、「対人賠償保険」「対物賠償保険」「人身傷害補償保険」「搭乗者傷害保険」の4つについていくらの保険金額に加入しているのか聞いてみるのです。さらに「車両保険」など、その他の保険について聞いてみてもよいでしょう。先回りして言うならたぶん、「対人賠償保険」と「対物賠償保険」については「無制限」、「人身傷害補償保険」については「3,000万円」、「搭乗者傷害保険」については「500万円」という人が多いのではないでしょうか?
 それはともかく、聞き出した保険金額を参考に、「一括見積もりサービス」を利用して、自分はどのような補償内容にするのか、上記7つの保険の中で必要な保険はどれか、保険金額の増減や、補償を限定して保険料を安くする特約を付けるとか、弁護士特約つけて補償を手厚くする、など詳細については、自分の予算と勘案しながら決めていくのです。

 
すでに加入している場合は、満期日まで3ヶ月を切ったら、いまお持ちの「自動車保険証券」「免許証」「車検証」を取り出して、「一括見積もりサービス」を利用して、ぜひ各社の商品を比較してみましょう。現在加入している補償内容と同じ条件で見積もりを取ってもよいですし、検討し直した補償内容でいくらの保険料になるのか、各社の見積もりを取ってもよいわけです。
 下記の中から1社を選んで見積もり依頼をすると、各保険会社から、おもに電子メールで、または郵送で、即日もしくは数日中に「見積もり」が送付されてきます。また、見積もりを希望しない保険会社は除外することができます。当然のことながら、自分が見積もりを依頼した保険会社(代理店)等と契約しなければならないということはありません。
  そして、最後に、自分がもっとも適当だと判断した保険について、特約の種類や内容など細部について、最終的に確認をすればよいのです。 いずれにせよ、納得した自動車保険に加入し、ゆとりと安心のカーライフを満喫することが大切です。







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